2016年10月1日土曜日

Hamilton あらすじ


Act 1

1. Alexander Hamilton
アレクサンダー・ハミルトンを殺した張本人アーロン・バーをはじめとする様々な人々の口から、ハミルトンの生い立ちが語られる。
カリブ地方の島で私生児としてうまれ、後に母親も病で亡くし孤児となったハミルトンは、苦しい生活のなかでも勉学に励み才覚を現し、ニューヨークの大学で行政学・政治学を学ぶ機会を得た。

2. Aaron Burr, Sir
1776年のニューヨークで、ハミルトンはアーロン・バーに出会う。学業を早期に終えて独立革命運動に加わりたいと考えるハミルトンは、プリンストンの大学で早期卒業したというバーに助言を求めるが、「自分の本意をまわりにあまり悟らせないほうがいい」というバーの哲学は、ハミルトンには相容れないものだった。

3. My Shot
酒場でハミルトンは、後に独立戦争で共闘する男たち(ラファイエット、ヘラクレス・マリガン、ジョン・ローレンス)と意気投合する。英国から植民地支配を受けるアメリカでは独立革命の気運が高まりつつある。ハミルトンは今こそがその時であると声をあげ、弁論の才能を発揮して仲間たちの支持を得る。

4. The Story of Tonight
信じるもののためならば命をかけてもいい、と男たちは革命運動への意気込みを語り合う。

5. The Schuyler Sisters
農園を営む富豪、フィリップ・スカイラーの三人の娘たち、アンジェリカ、イライザ、ペギーが街へと繰り出す。

6. Farmer Refuted
「アメリカは植民地政府に従うべきである」と語る王国忠誠派の言葉に、ハミルトンは反論。独立革命を強く主張する。

7. You’ll Be Back
英国王ジョージ三世が「アメリカ植民地の離反を阻むためなら戦争も辞さないつもりである」とアメリカの民に語りかける。

8. Right Hand Man
いよいよ独立戦争が始まった。従軍し、軍人として優れた才能を発揮していたハミルトンを、総司令官ジョージ・ワシントンは自らの副官に任命する。

9. A Winter’s Ball
フィリップ・スカイラーの主催する舞踏会で、ハミルトンはスカイラー家の娘達と出会う。

10. Helpless
姉のアンジェリカからハミルトンを紹介されたイライザ。二人はすぐに惹かれあっていく。

11. Satisfied
妹のイライザとハミルトンの結婚を祝福するアンジェリカ。ハミルトンに自分と似たものを感じていた彼女もじつは彼に好意を抱いていたが、イライザの気持ちを察して妹と引き合わせたのだった。彼女は生涯にわたり、夫妻のよき理解者であり続ける。

12. The Story of Tonight (Reprise)
ハミルトンの結婚を祝福しにアーロン・バーもやってきた。
バーに良い相手はいるのかと訊くと、愛する相手はいるが、それは英国軍人の妻との不義の恋であるため結ばれることを諦めているという。ハミルトンは、恐れず愛のために行動すべきだとバーを激励する。

13. Wait for It
バーはあくまで、天の成り行きに任せ、好機が訪れるまでは静かに待つつもりだと語る。

14. Stay Alive
激化する独立戦争。自分に前線での指揮権をというハミルトンの主張を無視する形で、ワシントンはチャールズ・リーを将軍に据える。結果、モンマスの戦いにおいてチャールズ・リーは自軍を混乱に陥れる失態を犯し、指揮はラファイエットに任されることになった。これに不満を抱いたリーは、ワシントンの悪評をたてて名誉を傷つける。相手にするなとワシントンに厳命され怒りを飲みこむハミルトンにかわって、ジョン・ローレンスがリーに決闘を挑むと申し出た。

15. Ten Duel Commandments
ハミルトンとバーの立会のもと、拳銃での決闘を行い、ローレンスはリーに勝利する。

16. Meet Me Inside
決闘が行われた事でワシントンの怒りを買い、ハミルトンは妻のもとへ帰還するよう命じられる。

17. That Would Be Enough
イライザのもとへ帰ったハミルトンは、彼女が第一子を妊娠していることを知らされ、ワシントンがハミルトンを前線に出すまいとしていたのもそのためだったと気づく。夫が国のために使命を担って戦っていることを理解するイライザは、ハミルトンにただ、生きて戻ってきてさえくれればいいのだと告げる。

18. Guns and Ships
ラファイエットの活躍によりフランス軍の協力も得て、植民地軍の旗色は優勢になっていく。しかし決定打のためには、イギリス海軍をヨークタウンで討つ必要があった。そのためにハミルトンの力が必要だと判断したワシントンは、ハミルトンを戦場に呼び戻す。

19. History Has Its Eyes On You
ワシントンは自分が初めて指揮した時の失敗をふり返り、歴史上で後世の人々にどう記憶されていくかを、自分の望みどおりに決められる人間などいないのだと語る。

20. Yorktown (The World Turned Upside Down)
激闘のすえ、植民地軍は独立戦争に勝利する。

21. What Comes Next
戦争に敗れた英国王ジョージ三世は、あとで後悔しても遅いのだ、と負け惜しみをこぼす。

22. Dear Theodosia
独立革命から間もなくして、ハミルトンには息子のフィリップが、バーには娘のテオドシアが生まれる。二人はわが子への思いと、その未来のために全てをささげる決意を語る。

(サントラ未収録)
ハミルトンは、親友のジョン・ローレンスがサウスカロライナで戦死したことを報される。
ヨークタウンの戦いでアメリカの勝利が決まった後、退却していく英国軍からの銃撃を受けてのことだった。

23. Non-Stop
戦争の終結後、ハミルトンとバーはどちらもニューヨークへ戻り、学業を修了して法曹界で活躍するようになる。
1787年の夏、ハミルトンはフィラデルフィア憲法制定会議の代議員に選ばれた。
ハミルトンはアメリカ合衆国憲法の批准を推進するために連作論文を執筆することを考え、バーに協力を求めるも断られる。その後、ジェームズ・マディソンとジョン・ジェイの協力を得た彼は、全85編の論文のうち51編もを自ら執筆し、「ザ・フェデラリスト」を刊行する。
初代大統領となったジョージ・ワシントンは、ハミルトンに財務長官の座についてくれるよう頼む。
引き止めようとするイライザの声もむなしく、ハミルトンは休む間もなく、いまだに課題が山積みであるアメリカ合衆国の政治に携わっていくことを決める。
アンジェリカは夫とともにロンドンで暮らすことになった。



Act 2

24. What’d I Miss?
1789年、長らくフランスに大使として駐在していたトーマス・ジェファーソンが、アメリカへと帰ってきた。ワシントン大統領の要望で、彼は国務長官として迎えられる。
そんな中、ハミルトンが推進しようとする経済政策に危機感を抱くジェームズ・マディソンが、それを阻止するようにとジェファーソンへ協力を仰ぐ。

25. Cabinet Battle #1
閣議の場で、ジェファーソンはハミルトンの経済政策に真っ向から反対して彼と火花を散らす。ワシントンはハミルトンを呼びだし、議会の賛同を得るための妥協点を模索するようにと命じる。

26. Take A Break
自宅に帰っても仕事にかかりきりの夫に対し、イライザは息子のフィリップが9歳の誕生日を迎えたことを教える。フィリップは自作の詩を披露して父を喜ばせた。
議会の賛同を得られず悩むハミルトンは、英国で暮らすアンジェリカに助言を求める。彼女の返事は「まずはジェファーソンを納得させるべき」というものだった。
そのアンジェリカが、夏の休暇を過ごすためにアメリカへ来るという。ともにスカイラー邸で休暇を過ごそうと誘うアンジェリカとイライザだが、大きな課題に頭を悩ませるハミルトンは、仕事があるからと断り一人でニューヨークにとどまる。

27. Say No to This
家族の不在中、ハミルトンはマリア・レイノルズという女性に誘惑され関係を持ってしまう。しかも彼女は既婚者で、その夫は不倫を容認するかわりに金銭を要求してきた。脅迫に屈し、ハミルトンは彼女との関係を続けてしまう。

28. The Room Where It Happens
ハミルトンはジェファーソンとマディソンとのプライベートの食事会で話し合いの末、経済政策について合意に至る(1790年妥協)。ハミルトンの政治への影響力の大きさに、バーは嫉妬する。

29. Schuyler Defeated
所属政党を変えたバーは、ハミルトンの義父であるフィリップ・スカイラーと争い勝利する形で上院議員となる。この一件によって、ハミルトンとバーの関係には大きな亀裂が入った。

30. Cabinet Battle #2
閣議で、ジェファーソンとハミルトンは「英国と戦うフランスにアメリカは助勢すべきか否か」で再び意見がぶつかり合う。ワシントン大統領は最終的にハミルトンの意見を採り「あくまで中立の立場」を保つこととした。

31. Washington On Your Side
ワシントンの強力な後ろ盾を持つハミルトンに対し、バー、ジェファーソン、マディソンは、なんとか彼に打撃を与える方法はないかと画策する。またトーマス・ジェファーソンは、今の立場では何も変えられないと、国務長官を退くことを決める。

32. One Last Time
ハミルトンは、ジェファーソンが大統領選に立候補するために国務長官を退任したとワシントンから知らされる。また、ワシントン自身は大統領続投の意思はないという。引き止めようとするハミルトンだったが、ワシントンの意思はかたく、二人はともに彼の辞任挨拶を考える。

33. I Know Him
英国では、ジョージ三世がワシントン引退の報を受ける。二代目の大統領はジョン・アダムズに決まったと知り、波乱の予感に嬉しげである。

34. The Adams Administration
アダムズ大統領とハミルトンは真っ向からぶつかりあい、連邦党はめちゃめちゃになる。

35. We Know
バー、ジェファーソン、マディソンはハミルトンを失墜させるスキャンダルをとうとう掴んだと確信する。彼が政治資金を横領していると嫌疑をかける3人だったが、ハミルトンははっきりと身の潔白を主張し、その証拠もすべて示せるという。絶対に口外しないという条件で明らかにしたのは、かつてレイノルズとの不倫の際に金を強請られた事実だった。ことの経緯をすべて明かし、倫理的に恥ずべきことではあれど、法に触れることは一切していないと告げるハミルトンに、3人は驚きながらも納得する。

36. Hurricane
レイノルズの件を知られてしまったことでハミルトンは不安が拭えない。彼は過去、すべてを包み隠さず正直に書き記すことで何度も救われてきたと思い返す。

37. The Reynolds Pamphlet
ハミルトンはレイノルズの不倫事件についての詳細を記した、95ページに渡るパンフレットを自ら作成・公表するにいたる。白日にさらされたこのスキャンダルは彼自身の評判をおおいに貶めるものとなった。

38. Burn
夫の裏切りを知ったイライザは、泣きながら保管していた手紙を燃やす。これは、全ての記録を残すことで後世の歴史学者達によって名誉が挽回されることを願うハミルトンの意思に反する行為でもあった。イライザは、後世に語り継がれる「物語」の中から自身の存在を消し、自分の想いは自分だけの知るものとして秘めるつもりだと語る。

39. Blow Us All Away
ハミルトンの長男のフィリップは、父を侮辱する発言をしたジョージ・イーカーという男に決闘を挑む。
それを知ったハミルトンは、「他人を傷つけるような行為は自身の名誉を傷つけるものだ」とたしなめ、決闘では銃を空に向けて撃つよう息子に教える。相手が紳士であれば、争いを放棄する意思を尊重して平和的和解に至るはずだと考えたからだ。
決闘の場は、ニューヨークからハドソン川を挟んだ向かい、当時まだ決闘が合法であったニュージャージー。フィリップは敬愛する父の教えを忠実に守るが…

40. Stay Alive (Reprise)
相手の発砲した弾にフィリップは倒れてしまう。ハミルトンとイライザの願いもむなしく、父の教えをちゃんと守ったと言い残し、フィリップは19歳の短すぎる生涯を終える。

41. It’s Quiet Uptown
愛する息子を喪った悲しみにハミルトン夫妻は深く傷つく。レイノルズ事件に追い討ちをかけるような悲劇に、夫婦の間はもはや修復不可能であるかのようにも思われた。しかし、はかり知れない悲しみを乗り越えて、二人は徐々に絆を取り戻す。

42. The Election of 1800
次の大統領選に立候補したのは、トーマス・ジェファーソンとアーロン・バー。親仏家でいささか過激だという印象でとらえられがちなジェファーソンに対して、バーは温厚そうで評判もいい。バーが優勢であるかのように思われたが、果たしてどちらを支持するのかと注目されたハミルトンは、ジェファーソンを推し、バーには信念がないとこき下ろした。
結果、バーは敗北し、ジェファーソンが次期大統領に決まる。

43. Your Obedient Servant
大統領選でのハミルトンによる猛烈なネガティヴキャンペーンはバーの恨みを買うが、ハミルトンは「ひとつも間違ったことは言っていない」と謝罪を拒む。長年の確執の末、とうとうバーはハミルトンに決闘を申し込んだ。

44. Best of Wives and Best of Women
決闘の朝。夜明け前から起き出した夫を、イライザはベッドに呼び戻そうとする。ほんのすこし外出するだけ、と決闘のことを隠すハミルトンは、自分はこの世で最も素晴らしい女性、そして伴侶に恵まれたと彼女に告げる。

45. The World Was Wide Enough
長きにわたる確執に決着をつける時がきた。決闘の場は皮肉にも、ハミルトンの息子フィリップが命を落としたのと同じニュージャージーの岩棚だった。
ハミルトンが普段はかけないメガネをしてきたことで、相手の殺意を確信したバーは、「愛する娘のためにも絶対に死ぬわけにはいかない」と決意をかたくする。
いざカウントダウンが終わった時、しかし、ハミルトンは銃を空に向けていた。そしてバーの放った弾丸に、ハミルトンもまた息子と同じ運命をたどる。
仇敵を自らの手で殺めたバーは、すべてを振り返ってみれば、いったい何を争う必要があったのだろうと、自分の犯した過ちを悔いる。

46. Who Lives, Who Dies, Who Tells Your Story
アレクサンダー・ハミルトンの残した功績はあまりにも偉大であったと、彼を失った世界は気づく。
「アメリカ合衆国建国の父」の多くが長い生涯をまっとうし、様々な逸話として語り継がれるなか、ハミルトンの生涯は短く、しかし成し遂げたことは語り尽くせないほどに多かった。
愛する夫を喪った後、イライザは彼のやり残した仕事を肩代わりするかのように、様々な活動に携わり、またハミルトンの記憶が後世まできちんと残るよう、彼の遺した書面や記録の整理にも尽力した。長い生涯をまっとうして再び会ったとき、自分は充分にやり遂げたのか、自分たちの歴史は後世に語り継がれるだろうかと、彼女は夫に語りかける。

4 件のコメント:

  1. 初めまして。高校3年生のミュージカルファンです。約半年前にハミルトンを知って、リンマニュエルミランダの作る音楽や舞台が大好きになりました。
    毎日ハミルトンの音楽を聴いていますが、自分の英語力では歌詞の内容までしっかり理解する事が出来ず、訳を調べても中々良いものにたどり着けませんでしたが、このブログでは全曲、あらすじがわかるような説明がされていて、とても嬉しかったです!(>_<)突然のコメント失礼しましたm(__)m

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    1. 初めまして。こんな辺境ブログに、とても嬉しいコメントを
      ありがとうございます。
      私も昨年の秋頃に偶然ハミルトンの曲を耳にして以来、すっかりハマって毎日のようにサントラを聴き続けている身なので、お仲間がいらして嬉しいです!^^
      アメリカ史や政治の話なうえスラングも多いので、知らない単語にぶつかるたびそれらについて調べることになり、私もいい勉強の機会になりました笑
      素人による拙い訳文ですが、作品の雰囲気を掴んで楽しむのに少しでもお役に立てていたら幸いです〜。

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  2. はじめまして。
    これまで多くの翻訳を公開していただきありがとうございます。

    おかげでミュージカルを深く理解できるようになりました。

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    1. 遅ればせながら、コメントありがとうございました。
      かなり偏った趣味で勝手に和訳しているものですが、作品の面白さや雰囲気が伝わるといいなと思いながら取り組んだものなので、お役にたてたならとても嬉しいです!

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