フィリップ:
新たなキングスカレッジ卒業生の登場だ
自慢はいけないかもしれないけど
僕はそりゃもう 凄い才能で皆を驚かせる
学者たちいわく 僕には父と同じだけの頭脳と才能があるって
レディーたちいわく 父譲りなのは頭の出来だけじゃない
まだ19歳だけど 中身はもっと大人さ
父のように自立した立派な男にならなきゃ、そしてもっと勇敢に
僕は父の遺産を誇りを持って背負うんだ
父さんはよく言っていた
いつか 僕は──
みんなを驚かせる
フィリップ:
お嬢さんたち、僕 ジョージ・イーカーって男を探してるんだけど
先週、独立記念日のスピーチをした人なんだ
あいつ大衆の前で 父の築いた遺産を批判した
許すわけにはいかないんだ 父の名誉にかけて
マーサ:
さっき2ブロック先のブロードウェイで見かけたわ
劇を観に行くって言ってた
フィリップ:
そうか、なら劇場まで訪ねるとしよう
ドリー:
ねえあなた すごい色男ね
フィリップ:
君たちもそのドレスとっても似合ってるね
僕の用事が済んだら あとで一緒に脱がせ合うってのはどう?
マーサ、ドリー:
いいわね!
みんなを驚かせる!
フィリップ:
ジョージ! おい、ジョージ!
ジョージ:
静かにしろ! いま劇を観てるんだぞ!
フィリップ:
お前こそ 僕の父について不躾な口を叩かずに
静かにしてるべきだったんだ!
ジョージ:
何も間違ったことは言ってないさ
お前の父親はろくでなしだ 見たところお前さんもそうらしいな
アンサンブル:
うわーお
フィリップ:
あくまで謝らないつもりか?
ジョージ:
そうさ 俺は軽口は叩かん
お前の同級生のガキどもとは違うんだ
フィリップ:
なら決闘の場で会おう
お前が今すぐ外に出て勝負する気があるなら別だが
ジョージ:
お前の居場所は知ってるから、とっとと消えろ
劇の途中なんだよ
フィリップ:
父さん、あいつが父さんのこと何て言いやがったか
聞いたら父さんだって怒ったはずだ 僕にはとうてい我慢できなかった──
ハミルトン:
落ち着きなさい
フィリップ:
父さんのアドバイスが欲しくて
決闘するのは初めてなんだ
学校じゃそんなこと教わらなかったし
ハミルトン:
友人同士で和解の交渉はしたのか?
フィリップ:
向こうが謝罪を拒んだから 交渉決裂したよ
ハミルトン:
決闘の場所はどこで?
フィリップ:
川向かい、ジャージーで
ハミルトン、フィリップ:
ニュージャージーではなんでも合法だから…
ハミルトン:
わかった こうしなさい
イーカーと向き合うまで あくまで堂々と立っているんだ
その時がきたら 銃を空に向けて撃ちなさい
それですべて丸く収まるはずだ
フィリップ:
でも それで相手が撃ってきたら? 僕はやられちゃうよ
ハミルトン:
いや 向こうが信義ある男なら すぐお前と同じようにするはずだ
誰かの命を奪ったりすれば ずっと後悔を抱えることになる
お前の母さんにこれ以上つらい思いをさせてはいけないよ
フィリップ:
父さん──
ハミルトン:
約束してくれ
その青年の血で自分の手を汚してはいけない
フィリップ:
わかったよ、約束する
ハミルトン:
終わり次第 家に帰ってくるんだぞ
父さんの拳銃を持っていくといい
うまくやるんだ 頑張って行ってきなさい
フィリップ:
僕はフィリップ
僕は詩を書く
ちょいと緊張してるけど とにかく
僕は誇りある ハミルトンの男だ
父に関する暴言を 許すわけにはいかないんだ
イーカーさん! 劇はどうでした?
ジョージ:
社交辞令はいらん さっさと行くぞ
拳銃を持ってついてこい
フィリップ:
確認するぞ
決闘は10カウントをしてから行う
カウント開始!
フィリップ:
相手の目を見て まっすぐ銃を構えろ
持てる勇気を振り絞って
ゆっくり 相手に分かるように 銃を上空に向けて構える
1 2 3 4 5 6 7 ──
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