2016年10月2日日曜日

Hamilton - The Election of 1800

1800年 大統領選挙

ジェファーソン:
政治に話を戻してもいいか?

マディソン:
グスッ どうぞ?

ジェファーソン:
どうも
すべての作用には同じだけの反作用が生じる
ジョン・アダムズはヘマしまくった
俺はあいつのこと好きだけど もはや満身創痍だな
哀れなアレクサンダー・ハミルトン? あれもすっかり大人しくなっちまって
結果、俺の対立候補は──

ジェファーソン、マディソン:
アーロン・バー!

ジェファーソン:
あいつも自身の党派で出馬

マディソン:
北部じゃ彼はとても人気がある
ニューヨークの人々は彼に期待しているようだ

ジェファーソン:
あいつはどんな意見もそうそう強く主張してこない

マディソン:
彼に質問を投げてみても 話を逸らされ
うやむやに誤魔化されるな

ジェファーソン:
みんな俺のことを親仏家だとかバカにしやがるが
少なくとも 俺がフランスの場所を知ってるってことは
誰の目にも明らかだろ

マディソン:
トーマス、それこそが問題なんだよ
みんなバーの事を
君をおとなしくしたぐらいの人間だと思ってる

ジェファーソン:
冗談だろ

マディソン:
君はすこしやり方を変える必要がある
誰か支援者を得ることで
印象を良くできるかもしれない

ジェファーソン:
誰を考えてるんだ?

マディソン:
笑うなよ

ジェファーソン:
誰だよ?

マディソン:
ともに働いたこともある人間だ

ジェファーソン:
おいまさか

マディソン:
なあひょっとすると うまくいくかもしれないぞ
ハミルトンを味方につけられたら

ジェファーソン、マディソン:
ひょっとすると いい考えかもしれないぞ
ハミルトンを味方につけられたら

バー:
口数を減らして!
もっと微笑む!
自分の支持や反対するものを
周囲には悟らせるな!
そこの彼と握手して!
そこの彼女を魅了する!
時は1800年
淑女の皆様 バーに一票をと
旦那様にお伝えください!


アダムズは好きじゃない

あの人は勝てっこないでしょ 敗北主義者だもの

かといってジェファーソンは──

フランスが大好き!

ほんと、エリート主義者ってかんじ!

アーロン・バーはいいな

彼ってばすごい素敵だわ!

なんか親しみやすさがあるっていうか…?

一緒に一杯飲めそうな感じがするよね!

アンサンブル:
親愛なるハミルトンどの
我々 連邦主義者の同胞としては
あなたが誰に投票するのか知りたいのです

ハミルトン:
郊外はとても静かだ

アンサンブル:
親愛なるハミルトンどの
ジョン・アダムズは望み薄なわけですが
あなたは誰を支持されるんですか?

ハミルトン:
郊外はとても静かだ


ジェファーソンかバーか?
どっちでも負けなのは分かってますが
ジェファーソンかバーか?
どちらか一人を選ぶとしたら

親愛なるハミルトンどの
ジョン・アダムズは望み薄なわけですが
あなたは誰を支持されるんですか?
どちらか一人を選ぶとしたら

ハミルトン:
おや これはアーロン・バーどの!

バー:
アレクサンダー!

ハミルトン:
ずいぶんと話題になってるご様子で!

バー:
ああ 一軒一軒訪ねて回ってるんだ!

ハミルトン:
大々的に選挙運動を?

バー:
そうとも!

ハミルトン:
新しい試みだな

バー:
正直とても疲れるがね

ハミルトン:
バー

バー:
なんだい!

ハミルトン:
本気で挑んでいるんだな?

バー:
そうさ 目指すもののために手段は選ばない
思えば、そうだな

ハミルトン:
なんだい?

バー:
そういうやり方を 私は君から教わったんだよ


アンサンブル:
どちらか一人を選ぶとしたら

マディソン:
引き分けだ!

アンサンブル:
どちらか一人を選ぶとしたら

アンサンブル:
あとは下院に委ねられた!

アンサンブル:
どちらか一人を選ぶとしたら

ジェファーソン、マディソン:
あとはハミルトン次第だ!

どちらか一人を選ぶとしたら
ジェファーソンかバーか?
選択を!

ハミルトン:
さて
人々は僕の意見を聞きたがってる
この国は難しい選択を迫られているわけだが
私が誰を支持するかというのなら
──ジェファーソンだと言っておこう
私はジェファーソンとは一度として意見が揃ったためしがない
何から何まで反目し合う間柄だった
だが結局のところはっきりしているのは
ジェファーソンには信念がある
バーにはそんなものはない

マディソン、ジェファーソン:
これは驚いた 信じられない

マディソン:
ハミルトンが君に味方したぞ

アンサンブル:
まさか驚いた 信じられない

ジェファーソン:
で?

マディソン:
君の圧勝だ

バー:
当選おめでとう
なかなかいい勝負だったんじゃないかね

ジェファーソン:
そうさな

バー:
これから君と協力して公務につけることを
楽しみにしているよ

ジェファーソン:
はあ 協力?

バー:
君の副大統領としてさ

ジェファーソン:
はっ よくいうぜ
聞いたかおい? 俺に真っ向から対抗して活動してたやつが
「協力して公務につけることを楽しみにしてる」だとよ

マディソン:
まあ確かに 次点の者が副大統領にというのもおかしな話だな

ジェファーソン:
ああ、だったらその制度 変えられるぞ
何でかわかるか?

マディソン:
なぜだ?

ジェファーソン:
俺が大統領だからだ
ああそうだ、バー
ハミルトンに会ったら 支援への礼を伝えといてくれ

0 件のコメント:

コメントを投稿