2016年10月2日日曜日

Hamilton - Cabinet Battle #2

ワシントン:
本日の議題だが
フランスが今にも英国と戦争に入ろうとしている
そこで我が国としては フランスへ物資や兵力の支援をすべきか
もしくは無関係でいるべきか、という問題だ
なおこの件については議会の承認を得るかどうかではなく
私の一存にて決定する
よって 説得すべき相手は私一人であることを忘れないでくれ
ではジェファーソン長官から 発言をどうぞ

ジェファーソン:
俺たちが崖っぷちにまで追い詰められていたとき
我々は約束をかわし 条約にサインした
資金と武器と機会を欲していた我々に
手を貸してくれたのはどこだ?

マディソン:
フランス

ジェファーソン:
その見返りに 彼らは領地など要求しなかった
ただひとつ 彼らがいずれ同じように敵と戦うとき
我々が手を貸すという約束を求めただけだ
革命はやっかいではあるが 今こそ彼らのために立ち上がる時じゃないのか
圧政に立ち向かう同胞たちと 共に戦おうじゃないか
まあ本日 アレクサンダー・ハミルトン氏もこの場にいるわけだが
おそらく彼はこの議論を避けたいところとお察しする
ひとつ言っておきたいのは 国務長官は私であって彼じゃない
ハミルトンは忠義の何たるかを分かっちゃいない
貴族の真似して着飾ってるだけの 成りあがりの金の亡者だ
出世の野心にとらわれてる
あいつのやる事すべて 我が国の理想を裏切る行為に過ぎない

アンサンブル:
うわお

ジェファーソン:
お気づきでなかったなら これでお分かりでしょう 大統領どの

ワシントン:
ありがとう ジェファーソン長官
では ハミルトン長官 それに対する応答をどうぞ

ハミルトン:
おたくは気でも狂ってんじゃないのか
あんたは大統領がこの国を
あの軍事的混沌のさなかに介入させるとでも思うのか
フランスは今 キングもクイーンも持たずにチェスをやってるんだぞ
俺たちが条約を交わした王の首は斬られて籠に入ってる
取り出して聞いてみるかね?
「ルイ16世の頭にお訊ねしたいんですが 我々は条約を履行すべきですかね?」
「えっと 好きなようにすれば 何しろ僕は死んじゃってるし」

ワシントン:
もう充分だ
ハミルトンは正しい

ジェファーソン:
大統領──

ワシントン:
我々はまだ次の戦争を始められるような状態じゃない

ジェファーソン:
しかし大統領 我々は自由のために戦うのではないのですか?

ワシントン:
勿論そうするさ
フランスが指導者を決めたらな

ジェファーソン:
民こそが国を導いているのです──

ワシントン:
民衆は暴動を起こしているに過ぎん
それを履き違えるべきではない
正直に言うがね 君はたまに理想を求めるあまり
現実を見極められていないところがあるように思うよ
ハミルトン

ハミルトン:
はい

ワシントン:
中立の宣言を下書きしておいてくれ


ジェファーソン:
お前はラファイエットを忘れたのか?

ハミルトン:
何だと?

ジェファーソン:
少しでも咎める良心はないのか?
大きな借りを作って 力を手にしたはずのお前が
いざそれを返すべき時に 知らぬふりを決め込むつもりか

ハミルトン:
ラファイエットは聡明な男だ 心配はいらない
彼との付き合いは 俺のほうがあんたより長いんだ
世界中で起きる革命すべてに干渉していたら
それこそ限がなくなるぞ
どこで線引きをするつもりだ?

ジェファーソン:
頭の回転が速いことだ

ハミルトン:
残念ながらね

ジェファーソン:
さぞ腕利きの弁護士だったことだろうな

ハミルトン:
依頼には応えたさ

ジェファーソン:
へえ
ひとつ言っておくがな

ハミルトン:
何だい?

ジェファーソン:
お前がそうしてられるのは ワシントンの後ろ盾があるからだ

ワシントン:
ハミルトン!

ジェファーソン:
パパが呼んでるぞ

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