2016年10月2日日曜日

Hamilton - The Room Where It Happens

バー:
おや、財務長官どの

ハミルトン:
バーどの

バー:
マーサー将軍の話は聞いたかい?

ハミルトン:
いいや

バー:
クレルモン通りはわかるだろう?

ハミルトン:
ああ

バー:
彼にちなんで名前を付け直したそうだよ
マーサー将軍の立派な遺産が残されるわけだ

ハミルトン:
なるほど

バー:
ただ死ぬだけでそれが手に入るんだから

ハミルトン:
よっぽど楽な方法だね

バー:
私たちもそのうちやってみるべきだな

ハミルトン:
はは

バー:
ところで君、例の負債肩代わり計画はどうするんだい?

ハミルトン:
そうだな、とうとう君の助言を聞くときがきたようだ

バー:
へえ?

ハミルトン:
「口数は減らして もっと微笑みなさい」

バー:
あはは

ハミルトン:
政策を議会に通すためなら 何だってやってみるさ

バー:
マディソンもジェファーソンも容赦ないだろ

ハミルトン:
まあね 罪を憎み、罪人を愛しなさいってやつだ


マディソン:
ハミルトン!

ハミルトン:
悪いなバー、行かなきゃ

バー:
でも──

ハミルトン:
これから大事な会食があるんだ


バー:
バージニア人ふたりと移民がひとり、部屋に入っていく
対立しあう 敵同士だ
彼らは一度は閉ざされた扉を開け放ち
妥協案を携えて出てくる もはや仲間同士だ

移民は かつて前例のない財力を手に入れる
自身の意のままに作っていける金融システムを
バージニア人は連邦の首都を手にする
そして大事なメインディッシュはここだ

取引が行われたその部屋には 他には誰も居合わせなかった
全てが決められた その肝心の部屋に
取引が行われたその部屋には 他には誰も居合わせなかった
全てが決められた その肝心の部屋に

その話し合いがどう進められたのか 当事者以外に知る者はいない
その取引の妙技 ソーセージの調理を
ただ それがあったのだと推測する
だがそこに居合わせなかった者に それを知る術はないんだ

トーマスいわく──

ジェファーソン:
ある日 ワシントンの家をアレクサンダーが訪ねたんだ
彼は随分と憔悴して疲れ切っていた

バー:
トーマスいわく──

ジェファーソン:
アレクサンダーは言った──

ハミルトン:
もう他に頼れる相手がいないんです!

ジェファーソン:
まあつまり、この俺に加勢してくれるようにと懇願したわけだ

バー:
トーマスいわく──

ジェファーソン:
俺はマディソンに言ったよ──
「君が彼を嫌ってるのは知ってるが、まあ向こうの意見も聞いてやろうじゃないか」

バー:
トーマスいわく──

ジェファーソン:
ミーティングは俺が調整した
メニューも 会場も 席も俺が手配したよ

バー:
だが!
取引が行われたその部屋には 他には誰も居合わせなかった
全てが決められた その肝心の部屋に
取引が行われたその部屋には 他には誰も居合わせなかった
全てが決められた その肝心の部屋に

にらみ合う派閥がどうして合意に至ったのか 当事者以外に知る者はいない
チェスのゲームで 犠牲にされた駒を
ただ それがあったのだと推測する
だがそこに居合わせなかった者に それを知る術はないんだ


一方その頃──

バー:
マディソンは全ての問題が委員会で解決できるわけではないのだと気づく

一方その頃──

バー:
議会は国の首都をどこに置くかでもめている──

(大勢が同時に地名を叫んで聞き取れない)

バー:
目も当てられないね
そこへジェファーソンが会食への招待状を持ってくる
マディソンはバージニア人を視界にとらえ 応える

マディソン:
もしかしたら一つの問題は もう一つの問題をぶつけることで
解決し 南部の勝利に導けるかもしれない つまりは──

ジェファーソン:
ほほう

マディソン:
見返りをね

ジェファーソン:
いいんじゃないかね

マディソン:
君も もう少し故郷に近いところで仕事したいと思わないかい?

ジェファーソン:
それはもう できたら嬉しいね

マディソン:
ポトマック川沿いがいいと思うんだ

ジェファーソン:
それで 君は奴に票で手助けしてやるのか?

マディソン:
まあ そこは様子を見るさ

ジェファーソン:
行くぞ

バー:
なんだと──

取引が行われたその部屋には 他には誰も居合わせなかった
全てが決められた その肝心の部屋に
取引が行われたその部屋には 他には誰も居合わせなかった
全てが決められた その肝心の部屋に

バー:
信じられない!
イン・ゴッド・ウィー・トラスト
だが何が話し合われたのか 誰も本当のところは知らない
カチッ バーンと 鳴った時には全て終わっていた
だがそこに居合わせなかった者に それを知る術はないんだ

アレクサンダー・ハミルトン!

バー:
連中はいったい 何と言って 君にニューヨークを裏切らせたんだ?

アレクサンダー・ハミルトン!

バー:
ワシントンは会食のことを知ってたのか?
この件には大統領直々の圧力がかかってたのか?

アレクサンダー・ハミルトン!

バー:
それとも君は 首都がどこにあろうと関係がないと
その時から既に知っていたのか?

ハミルトン:
だって僕らは銀行を握ってる
金融の中心にいるんだ

バー:
手放した以上のものを得たわけだな

ハミルトン:
そうさ 望み通りのものを手に入れた
プレイヤーとして残りたきゃ 自己資金投資が必要なんだ
だがゲームに参加しなきゃ 勝つこともない
そりゃ愛されもする 憎まれもするさ
でも何も得られないんだよ
ただ 待っているだけじゃ!

主よこの僕をどうかお許しあれ
僕はただ 永く後世に残るものを築きたいだけなんだ

ハミルトン、ジェファーソン、マディソン、ワシントン:
バー、君は何を望むんだ?
何が欲しいんだ?
バー、そんなふうに信念なくして 君は何のために生きるんだ?

バー:
私は…
居合わせたいんだ
取引が行われるその部屋に
全てが決められる その肝心の部屋に
私は いる人間でありたい
取引が行われるその部屋に
全てが決められる その肝心の部屋に

居合わせたい
いなけりゃならないんだ
辿りつかなくては
その部屋に
偉大なる権力の場に

その妥協の妙技──

バー:
両目を瞑って 鼻をつまめ

我らが指導者に救いを求める──

バー:
だが彼らが引き換えに何を手放そうと 我々に文句は言えない

私たちはこの新たなるスタートに夢を抱く──

バー:
だが夢ってのは大概 暗闇の中で見るものさ

そこは墓穴のような暗闇だ

バー:
俺はそこに行かなくては
取引が行われるその部屋に
俺は行くんだ 行かなくてはならない
辿りついてやる…
その肝心の部屋に!


居合わせたいんだ
取引が行われるその部屋に!

カチッ バーン!

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