2016年10月1日土曜日

Hamilton - Alexander Hamilton

バー:
誰も知らない辺鄙なカリブの島で
淫女とスコットランド人の間に生まれ
貧しく汚い暮らしをしてきた 私生児の孤児、
そんな男が一体どうして学者や英雄になれたのか?

ローレンス:
10ドル紙幣に刷られた アメリカ合衆国建国の父
父親を持たず 並々ならぬ努力で上り詰めた
ずば抜けた知性と
行動力をもって
14歳にして貿易会社の管理を任されるほどに

ジェファーソン:
海の向こうでは奴隷たちが日々
殺戮され 連れ去られていた頃
彼は懸命な努力を怠らず
胸中ではつねに
何かの力となることを望んでいた
盗み 物乞い 借り 差し出そうという
覚悟を持っていた

マディソン:
そして ハリケーンが襲い
あたりには惨状が残された
ポタポタと落ちる 水滴とともに
未来が流れ去るのを見ながら
彼はエンピツをこめかみにあて
頭とつなげて
最初のリフレインを書き上げた
その苦しみの告白を

バー:
評判は広まり 人々は言う
「こいつは天才だ」
本土へ彼を送り出すために
援助金を集めて
「しかるべき教育を受けるんだ
自分の故郷を忘れずにな
いつか世界にその名を知らしめるだろう
お前の名は?」

ハミルトン:
アレクサンダー・ハミルトン
私の名はアレクサンダー・ハミルトン
今はまだ何も 成し遂げていなくとも
見ていろ 今にやって見せる…

イライザ:
10歳のとき 彼の父は
借金を抱えて 母のもとを去った
その2年後 アレックスと母は
病に倒れ
吐瀉物にまみれて
死の淵をさまよう

全員:
そしてアレックスは回復したが
母はあっけなく逝った

ワシントン:
従兄弟とともに住むも
その従兄弟は自殺してしまう
残されたのは傷ついたプライドと
心のうちにある新たな声

全員:
アレックス、自力で何とかするしかないんだ

ワシントン:
彼は家に籠って 読み漁るようになる
本棚に並ぶ 全ての文献を

バー:
これだけ明敏な男でなければ
出来ることなどなかったろう
とっくに死ぬか 貧窮してたはずだ
びた一文の金も残されず
彼は亡き母の地主のために
店子として働くようになり
自分では買えもしない
サトウキビやラム酒の貿易を行いながら
手の届くかぎりの本を求めた
将来への計画を練り
そして今 彼は船首に立ち
新たな地へと向かっている
ニューヨークで
新たな人生を歩むのだ

全員:
ニューヨークで新たな人生を

ハミルトン:
今に見ていろ

全員:
ニューヨークで新たな人生を

ハミルトン:
今に見ていろ

全員:
ニューヨークで新たな人生を
ニューヨークで…

ハミルトン:
今に見ていろ!

全員:
アレクサンダー・ハミルトン
私たちは舞台の袖でその登場を待つ
あなたは一度として退かず
ただ時間に追われるように生きた
ああ アレクサンダー・ハミルトン
アメリカがあなたのために歌うとき
あなたがどれだけのものを乗り越えてきたか
知ることはあるだろうか?
あなたが勝負をひっくり返してみせたことを
その手で世界は永遠に変えられたのだ

バー:
船が港についた
あの男が見えるか
新たな移民が一人
どん底から這い上がろうとしている
政敵たちは彼の評判を貶め
アメリカは彼の存在を忘れた

マリガン/マディソン、ラファイエット/ジェファーソン:
俺は彼とともに戦った

ローレンス/フィリップ:
僕は彼のために死んだ

ワシントン:
私は彼を信頼した

イライザ、アンジェリカ、ペギー/マリア:
私は彼を愛した

バー:
俺か?
俺こそがあいつを撃ち殺した間抜け野郎さ

全員:
今はまだ何も 成し遂げていなくとも
今に見ていて!

バー:
お前の名は?

全員:
アレクサンダー・ハミルトン!

1 件のコメント: