アンジェリカ:
どんな言葉も届かない瞬間がある
名前もつけられないほどつらい苦しみがある
私たちは我が子を全力で抱き締めて
想像もつかないそれを 遠ざけようとする
あまりにも深く突き落とされて
そのまま 沈んでしまうほうが楽に思えるとき
ハミルトン一家は郊外へと移り住んだ
そして想像もつかない痛みとともに生きることを学ぶ
ハミルトン:
何時間も庭で過ごして
ひとりで店へと歩く
郊外はとても静かだ
ずっと 静けさなんて嫌いだったのに
日曜には子供たちを教会へ連れていく
扉には十字架が
そして僕は 祈る
これまで 祈ったことなんてなかったんだ
アンジェリカ:
彼が 街中でひとり歩くのを
独り言をいうのを見かけたら
わかってあげて
ハミルトン:
なあフィリップ お前もきっとここを気に入ったよ
郊外はとても静かなんだ
アンジェリカ:
彼は想像もつかないほどの悲しみを
乗り越えようとしているのだから
頭には白髪が目立つようになった
彼の姿を毎日見かけるんだ
一日中 街を歩いていると聞くよ
ハミルトン:
お前を失って 僕の心は打ち砕かれてしまった
ねえ 想像できる?
ハミルトン:
こんなことになってしまった
僕らは どれだけのものを失ったろう
イライザ、僕に君から許される資格がないのはわかってる
でも聞いてほしい それだけで充分だから
もし あの子の命を取り戻せるのなら
僕の命と引き換えにできるのなら
あの子が 今ここに立っていて
君が微笑んでくれれば それで充分なのに
僕らが直面している試練を
僕が分かっているだなんて思わないよ
かけがえのないものを 失ってしまった
そして君にも 時間が必要なんだと思う
でも 怖くなんてないんだ
僕は君と結ばれたのだから
ただ 君の隣にいさせてくれれば
それで充分なんだ
彼が 彼女の隣を歩くのを
彼女に話しかけるのを見かけたら
わかってあげて
ハミルトン:
イライザ、ここの生活はどうだい? 郊外はとても静かだね
彼は想像もつかないほどの悲しみを
乗り越えようとしている
二人が公園を歩くのを見かける
日が暮れた街の景色を ただ眺めている
ハミルトン:
ねえご覧よ イライザ
彼らは想像もつかないほどの悲しみを
乗り越えようとしている
アンジェリカ:
どんな言葉も届かない瞬間がある
名前もつけられないほど深い優しさがある
私たちたちは理解できないものを 遠ざけようとする
想像もつかないそれを 遠ざけようとする
二人は庭に佇んでいる
イライザの隣にはアレクサンダーが
あの子は彼の手をとる
イライザ:
ここは静かね
許す心 ねえ想像できる?
それがどれほどのものか 想像できる?
彼が 彼女の隣を 歩くのを
彼女に話しかけるのを見かけたら
わかってあげて
彼らは想像もつかないほどの悲しみを
乗り越えようとしているのだから
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