2015年1月30日金曜日

Matilda the Musical - Revolting Children


もう二度と あいつが僕らを虐げることはない
もう二度と 自由を奪われることはない
そしてこの先 忘れることはないだろう
僕らが 戦ったこの日を

少しだけ悪い子になる権利のために
もう二度と チョーキーの扉が閉められることはない
もう二度と いじめられることはないし
もう二度と 疑うもんか ママが私を奇跡と呼ぶのを
もう二度と 鉄格子の中で生きることはない
もう二度と
だって今はもう知っているから

僕らは 不愉快な子供なんだ
このひどい時代に生きて
反抗的に韻を踏みながら
反乱の歌をうたう
僕らは あらがい続けるだろう
この反乱が終わりを迎えるまで
そしてトランチブルを追い出し
僕らは反抗する!

僕らは叫ぶ群衆となる!
ホッケー棒を取り出し 剣のようにふるえ!
そうさ もう二度と無視などされるもんか!
チョークの置き場所を突き止めて
黒板に落書きするんだ
無礼なわけじゃない 反抗してるだけ!

僕らは好きなように”つずり”書きする!
みんなで間違えば 間違いすら正解になる!
“いく”ない言葉だって使う
だってみんなちょっとは悪い子なんだから!
超えちゃならないラインを守るなら
それと同時に抗ってみれば
トランチブルにできることはない
ハンマーを持ってスタコラ逃げればいいさ
まさか僕らがキレるなんて思わなかったんだろ
でももう後戻りはできない

ぼくらは
あ・ら・が・い・つ・づ・け・る
(ひどい時代に!)
ぼくらは う・た・い
(うたを!)
ふ・み・な・が・ら
(韻を!)

ぼくらは
あ・ら・が・い・つ・づ・け・る
もう2L84U<誰にも止められない>
僕らは反抗する!

僕らは 不愉快な子供なんだ
(もう二度と あいつに虐げられることはない…)
このひどい時代に生きて
反抗的に韻を踏みながら
反乱の歌をうたう
僕らは あらがい続けるだろう
この反乱が終わりを迎えるまで
もう2L84U<誰にも止められない>
僕らは反抗する!

Matilda the Musical - My House


この屋根は 雨をしのいでくれるし
この扉は 冷たい外気を防いでくれる
この床に 私は自分の二本の足で立っていられる
この椅子に座って 私は授業の教材を作れるし
この枕で 私は夢を見られるわ
それにこのテーブルはね
見ての通り お茶を入れるのにちょうどいいの

多くはないけれど 私には十分なのよ
多くはなくても 十分…

この壁には 素敵な絵を飾れるし
この窓からは 四季の移り変わりを眺められる
この灯りのもとで 私は本を読める
そうすると私は誰よりも自由なの
たとえ外は寒くても ちっとも怖くないわ
冬の嵐のなかだろうと 温かくいられるもの
この小さいけれど しぶとい炎のおかげで
だから ほかに行きたい場所なんてないの

多くはないけれど 私には十分なのよ
多くはなくても 十分なの

だって ここは私の家だから
ここが私の家だもの
多くはないけれど 私には十分なのよ

これは私の家
ここが私の家だから
多くはなくても 満ち足りているわ

たとえ外は寒くても ちっとも怖くないわ 
(どうか泣かないで 私がここにいる)
荒れ狂う嵐がこようとも 温かくいられるもの
(泣かないでおくれ お前の涙をぬぐってあげるから)
この小さいけれど しぶとい炎のおかげで
(許してほしい 独りにさせるつもりなんてなかったんだ)
たとえ外が凍てつく寒さだろうと 心配することなんてない
(傷つけてしまったのは わかっている)
ほかに行きたい場所なんてないって 分かっているのだから

多くはないけれど 私には十分なのよ
多くはなくても 十分なの

Matilda the Musical - Quiet


一度でも 不思議に思ったことはないかしら
私はあるんだけど
たとえばそう 私が「赤」って言ったとして
あなたの頭の中で「赤」の意味するものが
私にとっての「赤」と同じなのか
知るすべはないってこと

また もし私たちが光と同じくらいの速さで移動できたとして
その手に灯りを持っていたら
その光も 光の速さで私たちから遠ざかっていくのかしら
ある意味それは 理にかなっているようにも思えるんだけど

でもね 私が言いたいのは
自信はないんだけれど
もしかしたら私 ほかのみんなと
頭の中身がちょっと違ってるのかもしれない
自然と浮かんでくる答えや
自分で作ったわけじゃない物語

そして皆が まるで怒鳴るのが楽しいみたいに
大声を出しているとき
頭の中にはすごい騒音が響いていて
ただ一度でいいから お父さんもお母さんも
テレビもみんな 止まってくれたらと願ってる
ごめんなさい うまく説明できないのだけど
でもその騒音は怒りにかわって 怒りは灯となる
それでいつもなら 私の中の炎は消えていくはずなのに
今日は違っているみたいなの

そして熱気と怒鳴り声と
心臓が早鐘を打っていて
目の奥が燃えるように熱くて
そして 突然
すべてのものが みんな…

静かだわ
静寂のようだけど 少し違う
ただ落ち着いた 静けさ
まるで本のページをめくる音のような
林を散歩して ふと立ち止まった時のような

静けさの中にいる
静寂のようだけど 少し違う
ただ心地のいい 静けさ
ベッドで逆さまに寝転がったときのような
頭の中に心臓の音が響いてるような

そして 周りにいるみんな
口は動いているようなのに
その発する音が 私にはもう届かない

静かなの
それに温かい
まるで 台風の目の中へと
漕ぎ出たみたいに

Matilda the Musical - The Smell of Rebellion


我が校は近頃どうも…静かにおし 虫けらどもっ!
じつに不快な臭いがするようになってきた
優れた鼻しか嗅ぎ分けられないが
私はこの臭いをよく知っている
これは反乱の気配
これこそが腐敗の臭気です!

そして疑うべくもなく 校長たる私にとって
このひどい臭気 まったくもって許しがたい
よって これ以上の蔓延を阻止するためにも
フィズ・エドの授業によって
この下等な者達の反抗心をくじくのが適切と考えました

反乱の臭いは 汗とともに流される
だからフィズ・エドによって 汗だくにしてやろう
そう じきに悪臭が漂ってくるだろう
けしかけ扇動する者たちの

ちょっとのフィズ・エドで明らかになるさ
いったいどいつが 反抗心を抱いているのか
まだだ! 耐えなさい!
腐った卵だけが
バケツの水面に浮かんでくるように

(イチ、ニ、サン、シ…)
反乱の臭い!
反抗の悪臭!
不従順たる者のひどい臭気!
(もう限界だ! イチ、ニ、サン、シ…)
抵抗の香り!
歯向かう者の臭さ!
暴動の起こらんとする臭い!
(こんなの間違ってる!)

雑草が大きく 貪欲になる前に
さっさと切り落としてしまわなくては
第二ポジション!
芋虫が歯向かってくるまえに
土を掘り返して 取り除くのです!

(イチ、ニ、サン、シ…)
反乱の臭い!
抗う意思の悪臭!
青二才どもの抗議の臭気!
(イチ、ニ、サン、シ…)
反抗の香り!
クーデターの臭い!
無秩序に向かう臭気!
(すいません先生 お願いです)

一度この悪魔どもを打ち払ってしまえば
おかしな企てなどする気力もなくなるだろう
倍増しの鍛錬で
腐敗は食い止められる!

さあ スピードアップだ!
イチ、ニ、サン、シ!

厳しい躾を
話を聞かない子供たちに
そわそわ落ち着かないチビどもに
歴史の時間にヒソヒソばなし
きゃっきゃとお喋り ぺちゃくちゃさえずる
これを正すに必要なのは
まず何よりも躾です

厳格な鍛錬を課さなくてはならないのだ
無秩序も悪戯も断固として認めない
良心に付け込まれて同情なんかで
時間を無駄にする前に
このチビどもが欲しがっているのは
まず何よりも 躾なのだから
にやにや笑いに ぶつぶつ不平
ヨダレをたらして 唾を吐く
「先生 ティッシュをください」なんて言ってくるのも
矯正可能な問題です
教室の女王であるために
難しいコツなんて何もない
ただ厳しく鍛錬をほどこし 躾けるのです!

反乱の臭い!
反抗の悪臭!
未熟者どもの悪巧みの臭気!
抵抗の香り!
歯向かう者の臭さ!
モラルの腐りゆく臭い!

ねえ想像してみて 子供のいない世界を
ただ目を閉じて 夢に描くの
想像して ほら やってみなさいな…
静謐で平和な情景…
流れる小川を…
とある林のなかに小屋があって
その小屋の中にいるのは そう
ジークって名の小人 サーカスの見世物男
超能力で紙の帽子を作ることができるのよ
彼は言うの 「やつらに馬を盗まれちゃダメ!」
「してやられちゃいけないよ!」
「困難を乗り切りさえすれば」
「きっと彼らに会えるだろう」
「ほら君を呼んでいる ヒヒーン! ヒヒーン!」

――あのひと頭おかしいよ!

ほら見たことか! 言った通りだ!
虫けらがそうやって また首を突っ込んでくる
たった ほんの少しの混乱でさえも
この臭気をふりまく種となる
これほど不快なものを見たことがおありかい!?
これほど不愉快な臭気をかいだことが!?
この反乱の臭い!
反抗の悪臭!
不従順たる者のひどい臭気!
抵抗の香り!
歯向かう者の臭さ!

そう お前たちを屈服させるまで
私は決してやめはしない
この反乱を完膚なきまでに叩きのめし
輝かしい汗まみれの鍛錬が
この胸糞悪い臭いを 洗い流すまでは!

Matilda the Musical - I'm Here


夜になると、縄抜け師の娘は部屋でひとり涙を流しながら眠りにつきました。
父親の縄抜け師はいじわるな叔母の悪事など知るすべもなく、
そして少女もまた、父親を苦しめることを恐れて何も言おうとしなかったのです。
でもそれはただ、叔母のいじめをエスカレートさせるだけでした。
そしてある日、とうとう叔母は理不尽な怒りを爆発させました。

「お前は薄汚れた、役立たずの、ろくでなしだよ!」

そう言って少女に手をあげると、いじわるな叔母は彼女を真っ暗で埃だらけの地下室へ押し込み、
扉に鍵をかけて出て行ってしまいました。
けれどその日、縄抜け師はいつもより早く家に帰りつきました。
そして娘の泣き声を聞いた彼は、扉を叩き破ったのです!

泣かないで!
娘よ 私はここにいるよ
どうか泣かないで さあ涙をぬぐっておくれ
愛しい娘よ
どうか許してほしい お前を見捨てるつもりなどなかったんだ
愛しい子よ 泣かないで
もう誰にもお前を傷つけさせたりはしない
何も恐れなくていいんだ
父さんがここにいる

ああ、私は妻を失った悲しみにばかりとらわれ
一番大切なものを蔑ろにしてしまうところだった
我が娘よ、私は何よりもお前を愛しているよ
お前に辛い思いをさせたことは、生涯をかけて償っていこう
これからはずっと、お前のそばにいるから


泣かないで パパ
私は大丈夫だから
ねえ どうか泣かないで 涙をふいてあげるわ
(許してほしい)
パパ ごめんなさい
(お前を見捨てるつもりなどなかった)
そんなふうに悲しませたくなかったの
(泣かないで)
ねえ どうか泣かないで
私ならもう大丈夫 パパが一緒にいてくれるのだから
何も怖いものなんてない
(父さんがここにいる)
あなたがそばにいるから

しかしその夜 少女が眠りについたあと、縄抜け師は妻の妹のことを思い出しました。
そして とてつもない怒りが彼の胸に湧き上がったのです。

あの悪魔! 悪党の人でなしは!
私の妻の思い出を傷つけたのだ!
じつの姉の信頼を裏切ったばかりか
私たち夫婦にとって何よりも大切な存在に ひどい仕打ちをした!
か弱い子供をいじめるのが楽しいとでもいうのか?
ならば怒り狂う大人を前にして あの人でなしがどう出るつもりか
せいぜい見せてもらおうじゃないか!

……けれど、少女が父親を見たのは、その日が最後となりました。
彼はそれから二度と、
家に帰ることはなかったのです。

Matilda the Musical - When I Grow Up


大人になったら
大人だけが登れる おおきな木の枝にも
手が届くくらい 背が高くなるんだ
大人になったら
大人になるために知らなきゃいけない
問題の答えも全部 ちゃんと分かるようになるんだ

大人になったら
毎日 通勤しながらおやつを食べるの
そして夜はうんと夜更かしするの
日が高くなった頃に起きて
一日中アニメを見て
それでも叱られないんだ 大人なんだから
大人になったら

大人になったら
大人が抱えて歩かなきゃいけない重い荷物だって
背負えるくらいに強くなるんだ
大人になったら
大人でいるために毎晩 戦わなきゃいけない
ベッドの下のお化けだって
やっつけられるくらい 勇敢になるんだ

大人になったら
毎日 自分にご褒美をあげるの
そして 大人が興味ないフリをしてみせる
楽しいことを好きなだけやって遊ぶんだ
それで日が高くなった頃に起きて
一日中 ひなたぼっこしても
日焼けでヒリヒリなったりはしないんだ だって大人なんだから
大人になったら

ミス・ハニー:
大人になったら
大人でいるために毎晩 戦わなきゃいけない
ベッドの下にいるお化けだって
やっつけられるくらい 勇敢になれると思っていた
大人になったら…

マチルダ:
人生はいつもフェアじゃないからって
笑顔で我慢する必要なんてない
苦難にただただ耐えるだけじゃ
何も変わらないもの

自分がこの物語の登場人物だとして
すべてに筋書きが用意されてるわけじゃない
結末が最初から決まってるなんて思ってたら
それでいいんだって 言ってるようなもの
でも そんなの間違ってる!

Matilda the Musical - Telly


前になんかの番組で聞いたことがあるんだが
「1枚の画は1千語に匹敵する」んだってよ
てことはつまり テレビを観るのは
たっくさん本を読むのと同じってことだ!

俺の知ってること全部 テレビで学んだ
偉大で素晴らしい 知識の箱
とうに知ってることだったとしても
チャンネル変えればそれでいい

たくさん笑って 楽しみは尽きない
めでたしめでたし 気楽な世界
賢くなりたきゃ必要なのは
23分とCMだ

どうして無駄な労力をつかう必要がある?
1、2、3とページなんかめくらないで
ただ快適に座って眺めてりゃ済むのに
他人が喋ったり 歌ったり 何かしてんのをさ

俺の知ってること全部 テレビで学んだ
テレビがでかいってことは 頭が良いってことだ!
このでかいテレビを見れば わかるだろ
俺がどんだけ賢い男か

マイケル 見せてやれ
どうだ くだらん本じゃこれは習得できねぇだろ!

俺の知ってること全部 テレビで学んだ
何を考えて 何を買うべきか
もともと頭はいいほうだったが
今はマジですげぇ カシコクなった

尽きないコンテンツに 沢山のチャンネル
山ほどのパネルで 延々おしゃべり
考えたり動いたりしなくたって
頭いっぱいに詰め込める

どうして無駄な労力をつかう必要がある?
小難しい冒険譚なんか読んでないで
ただ快適に座って眺めてりゃ済むのに
ちょっと有名な奴が すげえ有名な奴とかと話してんのをさ

俺の知ってること全部 テレビで学んだ
テレビがでかいってことは 頭が良いってことだ!
このでかいテレビを見れば わかるだろ
俺がどんだけ賢い男か

チャールズ・ディケンズってどこのどいつだ
メアリー・シェリー? 終わりだねみぃ
シャーロット・ブロンテ お呼びでねぇって
ジェーン・オースチン ゴミ箱にイン
ジェームズ・ジョイス きっとヤなやつ
イアン・マキューアン なーんだか不安
ウィリアム・シェイクスピア ビリハム 退屈だぁ
モビー・ディック? おいおい 冗談だろ

さあ皆で行くぜ!

俺の知ってること全部 テレビで学んだ(テレビ!)
テレビがでかいってことは(テレビ!) 頭が良いってことだ!
このでかいテレビを見れば(テレビ!) わかるだろ
俺がどんだけ賢い男か


2015年1月5日月曜日

Matilda the Musical - Bruce


トランチブル:
ブルース・ボグトロッター

ブルース:
はい 校長先生

トランチブル:
私のケーキがお口に合ったようだね?

ブルース:
はい 校長先生…本当にごめんなさい 僕

トランチブル:
いえいえいえ いいのよブルース
あなたがケーキを気に入ってくれたのなら それで十分

ブルース:
え、そうなんですか?

トランチブル:
そうですとも ボグトロッター

ブルース:
ええと じゃあその 美味しかったです
ありがとうございました

トランチブル:
それは良かった! 素晴らしい 喜びでお腹の底が締めつけられるようだよ
シェフ!
…ん? どうしたね ボグトロッター
食欲がなくなったのかい?

ブルース:
はい その、僕もうお腹いっぱいですし

トランチブル:
まさか! そんなわけはないだろう
お前が満腹かどうかは私が決めることだ
そしてお前のようなコソ泥は 
ホールケーキを食べきるまで満腹になるわけがないんだよ!

ブルース:
でも!

トランチブル:
言い訳はなしだ そんな暇があるならお食べ

ブルース:
これ丸ごとなんて無理に決まってます!

ミス・ハニー:
校長先生、そんなことをさせたら具合が悪くなってしまいますよ!

トランチブル:
それは私のケーキを盗み食いするなんて悪行に手を染める前にコイツが自覚すべきことだったんだよ!

さあ食べなさい

——あいつ できっこないよ

食べるのです

——絶対むりだって

食べろと言ってるんです

——バクハツしちゃうかもよ

食べろ!


ほんの1、2切れ その程度だったら
まだ良かったろうにね ブルース
でもさすがの君ですら
認めざるを得ないだろう
君とそのケーキ 同じぐらいの大きさだって

無理だよ! できるさ! ブルース!
ぜったい無理! ぜったいやれる!
ブルース 君なら出来るよ!
はじけ飛んじゃうかも
あれでけっこう柔軟なんだよ
限界だよ誰か止めさせて!
すごい奴だ あの食いっぷりを見ろよ
とても見てられないわ

これでようやく確証がもてたよ
ブルース たぶん君のお腹には 虫がいるんじゃないかな
君の体の大きさ ターディスみたいだ
中はもっと広いみたいだけど

無理だよ! できるさ! ブルース!
ぜったい無理! ぜったいやれる!
お前ならやれるよ!
B-R-O-O-C-E

ブルース!
今こそ君の大きなお腹を役立てる時だ
君は すさまじく強力な胃液を作り出してる
おおお…
食べきるんだ! 舐めあげて 飲み込んで
何があっても 諦めちゃ 負けちゃダメ
いけブルース 僕らのヒーローになって
チョコレートの栄光にまみれるんだ

ブルース!
もう誰ひとり 君が太っちょだからって
からかうことはないだろう
校長も白旗をあげるぞ
君が一口のみこむたび あいつが追い詰められていく
絶対に無理だと思ってた
でも今まさに 実現しようとしている
僕たちもこの勝利の幸せを 味わえるかもしれない

ブルース!
今こそ君の大きなお腹を役立てる時だ
言い訳はいらない
ベルトを抜きなよ ズボンをゆるくしておかなきゃ

おおお
詰め込んで もうすぐ完食だ!
まだ入るさ
何があっても ギブアップしちゃだめ
校長に負けないで
僕らのヒーローになってよ ブルース
チョコレートの栄光にまみれるんだ

ブルース:
無理だよ…どうしたって多すぎる

マチルダ:
頑張ってブルース 出来るわよ!

トランチブル:
お黙り!

おおお… ブルース!
もう誰ひとり 君が太っちょだからって
からかうことはないだろう
校長も白旗をあげるぞ
あと一口で 勝利は確定だ
絶対に無理だと思ってた
でも今まさに 実現しようとしている
僕たちもこの勝利の幸せを…

Matilda the Musical - This Little Girl


バカにされっぱなしじゃダメよ ジェニー
良い子のフリはやめるの ジェニー
怒鳴り込んで がつんと言ってやらなきゃ!

やっぱり関わらないほうが良いわ ジェニー
頑張ったところで所詮
バカをみるだけなのだから

あなたには関係ないことなの
そんな度胸もないじゃない
教師は教師らしく 学校で大人しくしてるべきよ!

でもあの女の子…
奇跡のような子…
彼女は 自分がどれほど特別な存在か
まったくわかっていないようだったわ

そんな子を見捨ててしまったら
私は教師失格ではないの
わかっているのに あの子には助けが必要だわ
味方となり戦う 力強い存在が

なのに彼女が出会ったのは 私だった
こんなバカで弱い 私なんかで
そしてまた扉は閉ざされて
ジェニーは締め出されたまま…

Matilda the Musical - Loud


先生 どうやらアナタ
人生のどこかで ひどい間違いをおかしちゃったみたいね
まあ今さら自分を責めたって仕方ないわ おいでなさいな

アナタどうやら 人がカシコイ連中を好むものだと思ってるみたい
なんとも可愛くて 古臭い思い込みだけど
とんだ大間違い
人ってのは
自分のこと物知りでカシコイと思って偉ぶってる人間を嫌うモンなの
ねえ いいこと教えてあげるわ
何を知っているか なんてのは
何を知らないかを主張する声の大きさに比べれば
なんの意味も持たないこと
内容なんて 誰もぜんぜん気にかけてないんだから
大事なのは…

派手にすること!! (うるさく うるさく うるさく)
大勢の中で際立って 堂々と目立つの! (大勢 大勢 大勢)
ペタンコよりも ハイヒール!
事実よりも フィーリング!
脳みそよりも ヘアスタイル!
頭でっかちよりも お尻!

いつ腰を振ればいいかなんて 誰も教えてくれないわ
隠さずにちゃんと目立たせなくちゃダメ
際立ってなきゃ誰も見てくれない
叫ばなきゃ誰も聞いちゃくれない
アンタが気にしなきゃ 誰も気にしちゃくれない
だから髪のちょっとでも染めてみなよ
だって持ってるものは目立たせなきゃ
たとえ 大したものを持ってなくてもね

派手にしなくちゃ!! (うるさく うるさく うるさく)
自分を光り輝かせるの 大勢の中で際立って! (大勢 大勢 大勢)
「スヤスヤ」じゃなくて 「シャキーン!」
「しーっ」じゃなくて 「ジャジャーン!」
そんな年寄りくさい恰好してないで
もっとバンバンいくのよ

ああ 私ってばイケてるわね
おたくは全然ダメ

いつ腰を振ればいいかなんて 誰も教えちゃくれないわ
ルンバを踊れない奴なんて 誰も愛しちゃくれないよ
誰しもちっとばかり エキゾチックなもんに弱いの
だからって 外国語を習うのはやり過ぎだけど
物知りじゃないからって 何も困ることはない
知らないことを主張できればそれでいい

売れる物が少ないからこそ 押し売りする
言えることが少ないほど うるさくがなる
静かな行いほど 懺悔は大げさに
見せるものが少ないなら ごてごてに飾り付けて

しゃんと立って! 立ち上がって
派手にするんだ!

派手にしなくちゃ!! (うるさく うるさく うるさく)
しゃんと立って 誇り高く! (高く 高く 高く)

アンタご自分がカシコイと思ってんでしょ?
ハッ くだらない

うるさく うるさく うるさく
目立って 大仰に 大げさに
騒々しく ゴテゴテに 際立たせて
派手にすりゃ良いのよ!

Matilda the Musical - Chokey Chant


ナイジェル:
どうしようマチルダ!
みんな僕はチョーキーに入れられちゃうって言うんだ!

マチルダ:
チョーキーってなに?

ナイジェル:
校長室にある戸棚で、校長がそこに子供を放り込むらしいんだ
中にはクギとかトゲとか割れたガラスがとび出てるんだって!

生徒たち:
そこは悪い子が連れて行かれる場所さ
大きな釘と木切れで出来ていて
なかは座ることもできないくらいに狭い
仮に座れたとしても 後悔するだけさ
床にすら釘が打たれてるからね
蝶番がギィと鳴って
扉が閉められれば
もう真っ暗で何も見えやしない
自分の鼻の先ですら
恐ろしさに悲鳴を上げても 果たして声が出てるのか
頭の中の絶叫が 口まで届いたすら分からない!
――ぎゃああああぁぁぁ!

Matilda the Musical - Hammer


ミス・ハニー:
私が思うに マチルダ・ワームウッドという生徒は
そのルールの例外とするべきではないかと思うんです

トランチブル:
例外、ですって?
私のこの学校で?

ずらりと並ぶ あのトロフィーをご覧なさい
陽光に照らされ あれらが光り輝くさまを
1969年ハンマー投イギリスチャンピオンになるために
私がどれだけの努力をしたとお思い?

お前は 私があの大舞台で自分の出番を迎えたとき
ルールを軽んじたと思うのかい?
まったく ありえない!

円に向かって歩きながら 私はプランを変えた?
え? どうなんだい?
掌にチョークをつけながら 観衆に手を振った?
まさかするわけがない!
回転を始めながら 景色を楽しんだ?
ちょっとでも呆けて 空想にふけった?
回転でよろけて あわてて修正したと思うのかい?
意図した仰角からの変更をゆるしたと?
ハンマーを放つ瞬間のかけ声を
長い歳月の練習であげてきたかけ声から変えた?
いいや僅かなりとも 揺らぎはしなかったさ
投擲の仔細に至るまで 忘却も修正もゆるさなかった
ハンマーが私の手を離れて 空高くスタンド上空へ舞い上がる瞬間も
この私が 我を失うことがあったとお思いかい?
ノーノーノーノーノーノーノー…ノー

ハンマー投の代表選手になりたいなら
いつも円の内側にいなくちゃいけないの
チームを育て上げるなら
うぬぼれも幸せも無用です
ただその両足を ラインの内側にしまっておけば良い

子供たち 歌いなさい! ニ、サン、シ

ハンマー投の代表選手になりたいなら
(子供達は虫けら)
いつも円の内側にいなくちゃいけない
(円だ 虫けら 虫けらよ)
成功を教えたいなら
同情も優しさも不要
いやしい奴らに ラインを超えないよう教えるのです!

歌うのよ ジェニー! ニ、サン、シ

ハンマー投の代表選手になりたいなら
(子供達よ 勝利するのだ 虫けらよ)
いつも円の内側にいなくちゃいけない
(円こそが 神 神なのだ)
ハンマー投にも 学校にも
ただ一つのルールを適用すればいい

人生は球みたいなもの 投げ方を学ぶのです
円線を見つけて 守れば良い
そしてその両足を 常にラインの内側に仕舞っておきなさい

さあ出てお行き

Matilda the Musical - Pathetic


扉を叩いて ジェニー
ノックさえすれば良いの
バカげたことしてないで
扉を叩いて ジェニー
たったそれだけのことよ
バカげてるでしょ
なんの変哲もない
ただのドアじゃないの
叩けば良いだけなのよ

自分の姿をご覧なさいよ
バカみたいにコソコソして
校長室の前で突っ立ってる
小さな子供じゃあるまいし
ほんと バカげてるわ!
なにを躊躇ってるのよ
両手も震えちゃって
恥ずべきことよ
小さな子供じゃないんだから
ほんと バカげてる!

扉を叩いて ジェニー
たったそれだけのことよ
なんの変哲もない
ただのドアじゃないの
叩けば良いだけなのよ…

ひょっとしたら後にしたほうがいいかも今はミーティング中かもわからないし
お邪魔したらいけないわよねこういう場合は慎重に行動するのが賢明よ
余計な衝突は避けるに越したことはないのだから
また出直しましょ!

…でもあの女の子
奇跡のような子供

扉を叩いて ジェニー
ノックすればいいの
バカげたことしてないで!

トランチブル:
…入りなさい

Matilda the Musical - School Song


ママは私のこと 奇跡だって言うの…
パパは僕のこと 特別な坊やだって言うよ…
私はお姫様…
僕は王子様…
ママは私のこと 天使だって…


どうやらお前たち 王子様やらお姫様やらだからって
この惨状を乗り切れると思ってるみたいだけど
じきに分かるぞ この悲劇から逃げるすべはない
どんなに努力してみたところで
結局は無駄なあがき
かつて当たり前だった人生は
いまや過去のことなんだから

僕たちはこの牢獄で長く苦しんできた
檻の中とじこめられ この生き地獄で!
でもまだ思い出せるのは
自分の人生が終わる前 幸せな時間が絶たれる前
あのベルの音を 最初に耳にする前のこと

お前たちと同じで 最初は興味津々だった
無邪気に たくさんの質問をしたさ
でもお前たち 苦しむのが嫌なら
忠告してやるから よく聞きな

ここじゃほんの少し規律を乱しただけでも
きついお仕置きが待っている 泣いたら倍増しだ
だからトラブルを起こさないように
よく気をつけなきゃいけないぞ


どうして?

どうして? どうしてって?
あいつの言うこと聞いたか?

フィズ・エドの時間になりゃわかるさ!

フィズ・エドってなに?

体育(フィジカル・エデュケーション)のことだよ
トランチブル校長の専門教科だ

ママは私のこと 奇跡だって言うの…きゃー!

パパは僕なら 先生のお気に入りになるって…いやー!

ママの話じゃ 学校ってすごく楽しいところだって…わぁー!

パパは アルファベットを教わるだろうって言ってた…

アルファベットだって?
だったら よーく聞いておきな

※歌詞に隠されたアルファベットを強調しながら繰り返し

Matilda the Musical - Naughty


ジャックとジルは バケツにいっぱい
水を汲みに丘を上ったんだって
立て続いた転倒は不可避の事故
決められた筋書きは変えられなかった
哀れな物語の被害者たち

ロミオとジュリエットの悲劇も
出会う前から星にさだめられてた
愛と運命と 少しの愚かさが
ハッピーエンドの望みを奪ってしまった
結末は往々にして血なまぐさいもの
でも なんで変えようとしなかったんだろう
そりゃ言いつけどおりにしなさいって 言われるけれど
たまには悪い子にだってならなきゃ

人生はいつもフェアじゃないからって
笑顔で我慢する必要なんてない
苦難にただただ耐えるだけじゃ
何も変わらないもの
小さくたって出来ることは沢山ある
小さいなんてちっぽけなこと 障害と思っちゃダメなの
黙って踏みつけられているんじゃ
それでいいんだと言ってるようなもの

でもそんなの間違ってる
間違っているのなら
それは正さなくちゃ


『プラチナブロンド 強力脱色剤
幼児の手の届かないところに保管してください』…フム

『スミレオイル 男性用ヘアトニック』…よし


抜け落ちたネジに潜むのは 小さな反逆心
床板の隙間にまかれた 闘争の種
羽ばたきひとつでも 嵐は巻き起こせる
ちっちゃなダニだって 強烈な一刺しを繰り出すわ

秒針がチクタク動いて 一日が始まるように
鍵をカチっと回して 逃走が幕開けるように
自分の物語で立ち往生しちゃって
出口が見つからなくても
泣かなくていい 叫ぶことなんてない

だって小さくたって出来ることは沢山あるんだから
小さいなんてちっぽけなこと 障害と思っちゃダメなの
黙って踏みつけられているんじゃ
何も変わらないもの
人生はいつもフェアじゃないからって
笑顔で我慢する必要なんてない
苦難にただただ耐えるだけじゃ
それでいいんだと言ってるようなもの
でもそんなの間違ってるでしょ
間違っているのなら
それは正さなくちゃ

でもほかの誰も 私のために正してなんてくれないわ
私の物語は 私にしか変えられないんだから
たまには悪い子にだってならなきゃ

Matilda the Musical - Miracle


ママは私のこと 奇跡だって言うの
パパは僕のこと 特別な坊やだって言うよ
私はお姫様
僕は王子様
ママは私のこと 空から舞い降りた天使だっていうわ

パパは僕のこと ちっちゃい兵隊さんだっていうよ
僕みたいにタフで男前なやつ 他にいないって
食いしん坊でも 甘やかしてくれる
だって僕はパパの自慢の兵隊さんだからね イチ ニ サン シ!

ママは私のこと 奇跡だって言うわ
この顔をひとめ見れば 明らか
お医者さんがへその緒を切ったときから
私ほど素晴らしい子供がいないのは わかりきったこと

パパは僕のこと ちっちゃい兵隊さんだっていうよ
僕みたいにタフで勇敢なやつ 他にいないって
うちのパパ言ってただろ いつか僕が大きくなったら
兵隊さんの鉄砲で お前の頭をぶちぬいてやるんだ!

近頃じゃ 才能とか美徳とかで感動するのも 難しくなったもんだ
万に一人の奇跡が 何万といるんだから
「特別」ってのはもう標準装備
人並み以上で平均 わけわからんね
こんなに頻発する奇跡でも 「奇跡的」であり続けるんだから
それこそが現代の計算法の生み出した奇跡ってやつじゃないか

ママは私(僕)のこと 奇跡だって言うよ
この顔をひとめ見れば 明らか
お医者さんがへその緒を切ったときから
私(僕)ほど素晴らしい子供がいないのは わかりきったこと

ママは私のこと 愛しいバレリーナだって言うわ
こんなに可愛いバレリーナ 他に見たことないって
真面目にやるなら クリームを控えなきゃって言われたけど
私はバレリーナなんだから もっとケーキ食べるの!

お手製コスチュームを着た うちの天使の写真をもう一枚
木の役をあれだけ上手く演じた例はほかにない
こっちよ!ハニー ママを見て!
お兄ちゃんにハチミツつけちゃダメよ
ママのために笑って
あの子 目つぶっちゃったかも
もう一枚撮るのよ
あの子の成績表みたかい? Cがついてたぞ
なんですって!?
学校を変えなきゃ あんな教師じゃ相応しくない
うちの子 とても出来た子だわ
すごく面白くて 洞察力にも優れているの
ほかの子供たちより聡明な気がする
ほんとうに自慢の子

ママは私(僕)のこと 奇跡だって言うよ
ミラーボールみたいにちっちゃくて キラキラ
どう皮肉を言おうと自由だけど
これは経験上 はっきり言えること
私(僕)ほどの奇跡は 他にいないってこと


ワームウッド夫人:
ねえ先生、まだかかるの? 15時の飛行機に乗らなきゃいけないのよ
パリで開催される年二回アマチュア・サルサ&社交ダンス大会に出るんだから

医者:
ワームウッドさん あなた飛行機に乗られるつもりですか?

ワームウッド夫人:
モチよ いっつも出場してるんですから
それに今年は秘密兵器があるの…パートナーのルドルフォ!
彼ってイタリアの血が流れてるんだけど、動きもバツグン
上半身の鍛え方がハンパないのよ

医者:
えー…ちょっとお話よろしいですかね

ワームウッド夫人:
で、検査の結果は? 私なにがおかしいんです?

医者:
ワームウッドさん 本当にわからないんですか?

ワームウッド夫人:
おなら?

医者:
ワームウッドさん 落ち着いてよーく考えてみてください
どうしてご自分の体がいま…そんな状態なのか

ワームウッド夫人:
てことは私…もしかしてそうなの?
ひと思いに言ってちょうだい アタシ太ってるのね!?

医者:
あのねワームウッドさん…あなた妊娠してるんですよ

ワームウッド夫人:
なんですって!?

医者:
お子さんが生まれるんです

ワームウッド夫人:
でも子供ならもういるのよ これ以上いらないわ! ねえどうにかならないの!? 

医者:
もう臨月に入られてるんですよ…

ワームウッド夫人:
抗生物質とかで…なんてこと!
年二回アマチュア・サルサ&社交ダンス大会はどうなっちゃうわけ!

医者:
ワームウッドさん 赤ちゃんが生まれるんです
この自然界でもっとも尊いものが
あなたに授けられようとしているんですよ
あなたにとって大切な 素晴らしい新たな命が
あなたの人生に喜びと驚きと感動を与えてくれる存在が
あなたのもとに生まれようとしているんです!

ワームウッド夫人:
マジ勘弁してよ

医者:
この手で新たな命を取り上げるたび
人間の素晴らしさに気付かされる
(ワームウッドさん いきんで! もっといきむの!)
(うるさいわね!)
生まれる命はすべて 真っ白なキャンバス
傷ついたことのない肌 けがれなき魂
すべての命は 奇跡にひとしく希少なんだ
その存在に至るまでの可能性は無限に小さく
我々の人生は 生に満ち溢れていながらも
命のひとつひとつは奇跡
奇跡なんだ

ワームウッド:
どこだい! 俺の息子は!

医者:
ワームウッドさん あなたこんなところでタバコを吸ってるんですか!?

ワームウッド:
おおっと失敬 そうだよな
こんなめでたい日にゃ葉巻のほうが相応しいってもんだ!
おいおいなんだこりゃ ブッサイクな子供だな

医者:
何を言ってるんです
こんな美しい赤ん坊 私は今まで見たことがないくらいだ

ワームウッド:
なんてこった! 坊やのアレはどこだよ!?

医者:
はい?

ワームウッド:
アレだよ、ナニってやつだ! こいつアレがついてないんだよ!

医者:
ワームウッドさん ついてるわけないでしょう その子は…

ワームウッド:
なんてこったよ このバカ女
お前のせいで 俺の息子にムスコがついてないぞ!

医者:
ワームウッドさん!
この子は女の子なんですよ! とても美しく可愛い女の子です!

ワームウッド夫人:
ねぇ私まだ間に合うかしら? 年二回アマチュア、社交、ソーセージ…

ワームウッド:
その大会ならとっくに終わってるよ
なあ先生 こいつを男と取り換えてもらうことって出来ないもんかね?

ワームウッド夫人:
…私の人生で最低最悪の日だわ!

下半身はなんだか感覚がおかしいし
この蛍光灯のもとじゃ 肌色はサイアク
この服だって 私が本来 セミファイナルで着てるはずだった
スペイン風のセミフォーマルドレスとは似ても似つかない

今頃は踊ってるはずだったのに
タランテラを イタリアーノの男と
こんなはずじゃなかった 患者服なんか着て
股ぐらのおかしな状態で
この醜いちっぽけな生き物なんかを
抱えてるはずじゃなかったのに…

ワームウッド:
棒も玉もみつからねぇ!

医者:
すべての命は 奇跡にひとしく希少なんだ
その存在に至るまでの可能性は無限に小さく
我々の人生は 生に満ち溢れていながらも
命のひとつひとつは奇跡
奇跡なんだ

子供たち:
ママは私(僕)のこと 奇跡だって言うよ
この顔をひとめ見れば 明らか
お医者さんがへその緒を切ったときから
私(僕)ほど素晴らしい子供がいないのは わかりきったこと

ママは私(僕)のこと 奇跡だって言うよ
ミラーボールみたいにちっちゃくて キラキラ
どう皮肉を言おうと自由だけど
これは経験上 はっきり言えること
私(僕)ほどの奇跡は 他にいない…


マチルダ:
ママは私のこと悪ガキだっていうわ
パパは私がつまらない奴だって
ママは私が 思い上がりの問題児だっていうの
こんな子供 存在自体を違法にするべきって
パパは私に その小うるさい口を閉じなって言うわ
ヘリクツ屋は皆に嫌われるぞって
ママは私を 人口抑制を正当化するためのいい例だっていうし
パパは私に もっとテレビを観なさいっていうの