2015年1月5日月曜日

Matilda the Musical - Miracle


ママは私のこと 奇跡だって言うの
パパは僕のこと 特別な坊やだって言うよ
私はお姫様
僕は王子様
ママは私のこと 空から舞い降りた天使だっていうわ

パパは僕のこと ちっちゃい兵隊さんだっていうよ
僕みたいにタフで男前なやつ 他にいないって
食いしん坊でも 甘やかしてくれる
だって僕はパパの自慢の兵隊さんだからね イチ ニ サン シ!

ママは私のこと 奇跡だって言うわ
この顔をひとめ見れば 明らか
お医者さんがへその緒を切ったときから
私ほど素晴らしい子供がいないのは わかりきったこと

パパは僕のこと ちっちゃい兵隊さんだっていうよ
僕みたいにタフで勇敢なやつ 他にいないって
うちのパパ言ってただろ いつか僕が大きくなったら
兵隊さんの鉄砲で お前の頭をぶちぬいてやるんだ!

近頃じゃ 才能とか美徳とかで感動するのも 難しくなったもんだ
万に一人の奇跡が 何万といるんだから
「特別」ってのはもう標準装備
人並み以上で平均 わけわからんね
こんなに頻発する奇跡でも 「奇跡的」であり続けるんだから
それこそが現代の計算法の生み出した奇跡ってやつじゃないか

ママは私(僕)のこと 奇跡だって言うよ
この顔をひとめ見れば 明らか
お医者さんがへその緒を切ったときから
私(僕)ほど素晴らしい子供がいないのは わかりきったこと

ママは私のこと 愛しいバレリーナだって言うわ
こんなに可愛いバレリーナ 他に見たことないって
真面目にやるなら クリームを控えなきゃって言われたけど
私はバレリーナなんだから もっとケーキ食べるの!

お手製コスチュームを着た うちの天使の写真をもう一枚
木の役をあれだけ上手く演じた例はほかにない
こっちよ!ハニー ママを見て!
お兄ちゃんにハチミツつけちゃダメよ
ママのために笑って
あの子 目つぶっちゃったかも
もう一枚撮るのよ
あの子の成績表みたかい? Cがついてたぞ
なんですって!?
学校を変えなきゃ あんな教師じゃ相応しくない
うちの子 とても出来た子だわ
すごく面白くて 洞察力にも優れているの
ほかの子供たちより聡明な気がする
ほんとうに自慢の子

ママは私(僕)のこと 奇跡だって言うよ
ミラーボールみたいにちっちゃくて キラキラ
どう皮肉を言おうと自由だけど
これは経験上 はっきり言えること
私(僕)ほどの奇跡は 他にいないってこと


ワームウッド夫人:
ねえ先生、まだかかるの? 15時の飛行機に乗らなきゃいけないのよ
パリで開催される年二回アマチュア・サルサ&社交ダンス大会に出るんだから

医者:
ワームウッドさん あなた飛行機に乗られるつもりですか?

ワームウッド夫人:
モチよ いっつも出場してるんですから
それに今年は秘密兵器があるの…パートナーのルドルフォ!
彼ってイタリアの血が流れてるんだけど、動きもバツグン
上半身の鍛え方がハンパないのよ

医者:
えー…ちょっとお話よろしいですかね

ワームウッド夫人:
で、検査の結果は? 私なにがおかしいんです?

医者:
ワームウッドさん 本当にわからないんですか?

ワームウッド夫人:
おなら?

医者:
ワームウッドさん 落ち着いてよーく考えてみてください
どうしてご自分の体がいま…そんな状態なのか

ワームウッド夫人:
てことは私…もしかしてそうなの?
ひと思いに言ってちょうだい アタシ太ってるのね!?

医者:
あのねワームウッドさん…あなた妊娠してるんですよ

ワームウッド夫人:
なんですって!?

医者:
お子さんが生まれるんです

ワームウッド夫人:
でも子供ならもういるのよ これ以上いらないわ! ねえどうにかならないの!? 

医者:
もう臨月に入られてるんですよ…

ワームウッド夫人:
抗生物質とかで…なんてこと!
年二回アマチュア・サルサ&社交ダンス大会はどうなっちゃうわけ!

医者:
ワームウッドさん 赤ちゃんが生まれるんです
この自然界でもっとも尊いものが
あなたに授けられようとしているんですよ
あなたにとって大切な 素晴らしい新たな命が
あなたの人生に喜びと驚きと感動を与えてくれる存在が
あなたのもとに生まれようとしているんです!

ワームウッド夫人:
マジ勘弁してよ

医者:
この手で新たな命を取り上げるたび
人間の素晴らしさに気付かされる
(ワームウッドさん いきんで! もっといきむの!)
(うるさいわね!)
生まれる命はすべて 真っ白なキャンバス
傷ついたことのない肌 けがれなき魂
すべての命は 奇跡にひとしく希少なんだ
その存在に至るまでの可能性は無限に小さく
我々の人生は 生に満ち溢れていながらも
命のひとつひとつは奇跡
奇跡なんだ

ワームウッド:
どこだい! 俺の息子は!

医者:
ワームウッドさん あなたこんなところでタバコを吸ってるんですか!?

ワームウッド:
おおっと失敬 そうだよな
こんなめでたい日にゃ葉巻のほうが相応しいってもんだ!
おいおいなんだこりゃ ブッサイクな子供だな

医者:
何を言ってるんです
こんな美しい赤ん坊 私は今まで見たことがないくらいだ

ワームウッド:
なんてこった! 坊やのアレはどこだよ!?

医者:
はい?

ワームウッド:
アレだよ、ナニってやつだ! こいつアレがついてないんだよ!

医者:
ワームウッドさん ついてるわけないでしょう その子は…

ワームウッド:
なんてこったよ このバカ女
お前のせいで 俺の息子にムスコがついてないぞ!

医者:
ワームウッドさん!
この子は女の子なんですよ! とても美しく可愛い女の子です!

ワームウッド夫人:
ねぇ私まだ間に合うかしら? 年二回アマチュア、社交、ソーセージ…

ワームウッド:
その大会ならとっくに終わってるよ
なあ先生 こいつを男と取り換えてもらうことって出来ないもんかね?

ワームウッド夫人:
…私の人生で最低最悪の日だわ!

下半身はなんだか感覚がおかしいし
この蛍光灯のもとじゃ 肌色はサイアク
この服だって 私が本来 セミファイナルで着てるはずだった
スペイン風のセミフォーマルドレスとは似ても似つかない

今頃は踊ってるはずだったのに
タランテラを イタリアーノの男と
こんなはずじゃなかった 患者服なんか着て
股ぐらのおかしな状態で
この醜いちっぽけな生き物なんかを
抱えてるはずじゃなかったのに…

ワームウッド:
棒も玉もみつからねぇ!

医者:
すべての命は 奇跡にひとしく希少なんだ
その存在に至るまでの可能性は無限に小さく
我々の人生は 生に満ち溢れていながらも
命のひとつひとつは奇跡
奇跡なんだ

子供たち:
ママは私(僕)のこと 奇跡だって言うよ
この顔をひとめ見れば 明らか
お医者さんがへその緒を切ったときから
私(僕)ほど素晴らしい子供がいないのは わかりきったこと

ママは私(僕)のこと 奇跡だって言うよ
ミラーボールみたいにちっちゃくて キラキラ
どう皮肉を言おうと自由だけど
これは経験上 はっきり言えること
私(僕)ほどの奇跡は 他にいない…


マチルダ:
ママは私のこと悪ガキだっていうわ
パパは私がつまらない奴だって
ママは私が 思い上がりの問題児だっていうの
こんな子供 存在自体を違法にするべきって
パパは私に その小うるさい口を閉じなって言うわ
ヘリクツ屋は皆に嫌われるぞって
ママは私を 人口抑制を正当化するためのいい例だっていうし
パパは私に もっとテレビを観なさいっていうの

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