君はまるで腫瘍のように 僕の中で大きくなった
そして悪性黒色腫のように 僕の中に広がっていった
とうとう君は 僕の心臓にまで入り込んだ
はじめから 切除してしまうべきだったのに
残念ながらもう 僕を治療する手立てはない
どんな感情の化学療法にも
僕のみじめな衰退を 止めることはできないだろう
君がまだ良性のうちに 取り除いてしまえばよかった
僕はまるでウィルスに感染するように君と出会った
そうまるで 髄膜炎菌性のクソッたれ髄膜炎みたいにさ
いまや両脚の感覚がない
君といると ベッドから出られないんだ
そして僕は 手術のリスクを負えなくなるまで それを放置してしまった
綺麗に切断できる希望は もうなくなってしまったんだ
君の排除に成功すれば それは
きっと僕をも 殺してしまうだろうから
君はまるで癌のように 僕の中で大きくなった
治療されない緑内障のように 僕にしのび寄った
いまや はっきり物を見るのさえ難しい
君という毒が 僕を盲目にしてしまった
僕は近所の医者に 相談すべきだったんだ
もうこの先ずっと 狭まった視界で生きるしかない
僕の周囲はめちゃくちゃだよ
だって今やどこに目を向けたって 君しか見えないんだ
出会ったときの君は 気まぐれで浅はかだった
なのに僕の鎧は 君の毒矢には敵わなかった
君は僕の胸に食い込んでいて
いま君を引き抜いてしまったら きっと僕は失血死してしまう
息が苦しいんだ
君はまるで腫瘍のように 僕の中で大きくなって
悪性黒色腫のように 僕の中に広がっていった
僕はまるで わかっていなかったんだ
ただの小さな黒子が どれほど速く
大きくなってしまうものかを
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